WORKS

羊の夢 Dream the sheep had
羊の夢 Dream the sheep had
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「Azumino Artist in Residence Roundabout 2023」

長野県×東京藝術大学連携事業 安曇野アーティスト・イン・レジデンス

 

7月から9月にかけて断続的に安曇野へ滞在した「安曇野アーティスト・イン・レジデンス」の成果発表展では、インスタレーション作品「羊の夢 Dream the sheep had」とドローイン作品「羊の夢 Dream the sheep had -Record-」、「POOP陶芸project」の記録を展示した。

 

滞在中は、豊科北中学校の特別支援学級の学生達と長野県南安曇農業高等学校に協力していただき「POOP陶芸project」の新しいチャレンジである牛のフンを使って器をつくり、食卓を囲むというワークショップを行うことができました。

また、明科で羊牧場を営む農家の大堀さんにご協力いただき、トマトの収穫から羊のフン採集までお世話になりました。羊達が暮らす異世界的な緑の景色と、そこに映し出される明科事件という歴史、そして羊肉になるであろう羊達。明科の大地が蓄積していく”生と死”を「羊の夢」というインスタレーション作品にて表現しました。

一粒の粘土に羊達のフンを一つずつ押し付け、焼成し、フンの形に凹んだ土とガラス状に溶けたフンが連なった作品は、羊の腸を介し、その土地に植生する生物との対話ツールであるように感じました。焼成をするという人の営みの中で生まれた尊い行為は、人間の精神が大地とアクセスしていくことの一つの手段であると考えています。

 

 

During the residency, with the cooperation of students from Toyoshina Kita Junior High School and Minami Azumi Agricultural High School in Nagano Prefecture, we were able to conduct a workshop in which we made pottery using cow dung and served them around the table, a new challenge for the "POOP Ceramic Art Project".

I was also grateful for the cooperation of Mr. Ohori, a farmer who runs a sheep farm in Akashina, who helped me with everything from tomato harvesting to collecting sheep dung. The otherworldly green landscape where the sheep live, the history of the Akashina Incident reflected in the landscape, and the sheep that will become mutton. I expressed the "life and death" that accumulates in the land of Akashina in an installation work called "Dream the sheep had".

The work, consisting of a grain of clay with sheep droppings pressed into it one by one and then fired, is a series of dented soil in the shape of the droppings and glassy molten droppings, and I felt that it was a tool for dialogue with the local vegetation through the intestines of the sheep. I believe that the precious act of firing, which was born in human activity, is one way for the human spirit to access the earth.

 

■期間

10月7日(土)〜19日(木)

平日 09:00〜20:00

土日祝 09:00〜18:00

※10月10日・16日休館

 

■会場

穂高交流学習センター「みらい」

 

■概要

湧き出る水や青々とした山々、美しい自然が広がる安曇野の地からインスピレーションを受けて3人の若手アーティスト・臼井仁美、及川春菜、鈴木希果が作品を展示します。

それぞれの視点や考えが巡り合う表現の交差点「Roundabout=環状交差点」をテーマに、木工、ガラス、陶芸をベースに新たな表現方法を模索します。

 

◎臼井仁美(うすいひとみ)

作品は主に木を素材とし、 先史時代には木器時代があったことを 想像しながら、人間の自然への眼差しに焦点をあて思考、制作をしている。 物事の成り立ちや起源を人間の植物との営みの中に見つめ、対象の分解、 見立てや置換によって、 国境や世代を超えることのできる解釈を探っている。 安曇野では、水路や地形と生育する植物のそれぞれ、あるいは俯瞰した 景色の中に相似する形や関係を見つけ、それらをテーマに作品を発表する。

 

◎及川春菜(おいかわはるな)

1993年生まれ、 宮城県出身。 「sympathy (共感)」をテーマに、言葉では感じ得ることができない曖昧な感情を作品を通して繋げることを コンセプトとして制作を続ける。 主にガラスを用いた作品を制作し、物事の本質を問いかけるボックスのアート作品 「MANUAL FOCUS」や、目には見えない攻撃を受けた時、自分の代わりに戦ってくれる”お守り”を テーマにした彫刻作品 「Amulet lovers」を展開する。

@haruna.o 

 

◎鈴木希果(すずききか)

1998 年生まれ、 東京都渋谷区出身。 現代美術家。

東京藝術大学美術研究科グローバルアートプラクティス専攻修了。 自然と都市の分断を繋ぐ媒介者としての“陶芸”に強い関心を持ち、「プロセスとしての“陶芸”」をテーマに作品制作やアートプロジェクトの 企画をしている。 プロセスとしての”陶芸” を介して「自然と都市」、「土と人」、「生と死」という不可視な関係性を複層的な視点で捉えた活動を行なっている。

@kika_suzuki_art 

 

■主催

国立大学法人東京藝術大学、長野県、安曇野市

 

■デザイン

及川春菜

 

■イメージ

鈴木希果

 

■問い合わせ

安曇野市教育委員会 (文化課)

TEL0263-71-2463

 

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